誰も見てません

Nobody cares

猫に会いたい

猫が死んだとき具体的に寂しく感じたのは、もう生きている獣のあたたかくてやわらかい毛並みを撫でることができないということだった。焼いてしまったらもうこの毛には二度と触れない、撫でられない、と思うのも、本当にそうなったのも辛かった。

骨壺に納めてからも、もう二度と触れないという事を辛く寂しく感じていたら、数日後、夢をみた。夢の中、部屋に死んだ猫がいて、私のところにきて、撫でさせてくれた。私は嬉しくて、そうそう、この感触、と思いながらずっと触っていたら、あれ?でも、ビビ、死んだんじゃなかった?と思い出して、棚の上を確認したらやっぱりそこに骨壺があった。ああ、やっぱり、死んだんだ、死んだことは間違いないんだって、そう思いながら目の前の猫を撫でた。

あれは、今改めて考えても、猫が会いに来てくれたんだな、と思う。私は猫に本当に何もできなかったのに、最後まで私のわがままに付き合ってくれて、本当に優しい子だったんだと気づいた。そんなことをさっき思い出して泣いた。これは他でもないペットロスだけれど、私にはずっと悲観に浸ってる余裕はないから、病気にはなれない。だけどたまにこうやって猫のために涙を流しても構わないでしょう。